黄昏時の住宅街・建物のパース作成(ライティング編)-②
2016/02/23
黄昏時の住宅街・建物のパース作成 の続きです
ライティングをする際に、光の方向はテクスチャの特徴に影響がありますので、できればテクスチャの質感を出せるようにライトを設置します。今回のパースは夕方のシーンで、全体的に画面が暗く、住宅の壁塗装の凸凹や、タイルなどの素材感は昼間の光源が当たるより見えません。素材感がないパースは立体感を失って、うすぺっらになるので、室外のライティングを工夫して、作品の雰囲気と立体感をつくります。
例えば手前の外構に貼り付けたタイルと住宅の塗装は下からの光源が当たって、受光部分の面落ちやタイルの模様が影の形で表現になります。今のアングルから見ると、三つのメイン光源があります。手前両方の庭ライトと中央奥にある建物中から出てきた室内の照明ひかりです。この三つの光源の強さを合わせて、画面のバランスを取れるように調整していきます。
光源の設置が終わったら、一度軽くレンダリングしてみます。色調と明暗をチェックし、見本を参考にしながら微調整をします。この段階では結構時間がかかります。個人によっては、細かすぎる部分はレタッチで調整することも可能です。大した問題がなければ、本番のレンダリングをかけましょう。将来の作品集とするため、時間がかかりますが練習作品はいつも横幅5000pixにして、品質が高くなるように計算しています。
次はレッタチの部分に進みます。
まずは空の様子を決めます、空は画面中に一番面積が大きいものなので、先に空の色調や明度を決めたら、絵全体の色を決めることができます。空の調子と合わせて建物の明暗をトーンカーブで調整します。植栽は、見本画像に設置した位置を参考にし、見本よりもっと盛り上がった低木や花木を配置します。画面中の光源の近くにある植栽にソフトライトのレイヤをかけて、ブラシで明るい黄色を塗って、光に当たっている効果をつけます。
この時点で光源が足りないためレンダリングで出来ない形の明暗さや色調など、レイヤマスクで分かれて、ちょっとずつ作ります。今回建物の形の面が多いので、レタッチの調整で面と面の関係を表現します。中央奥に床のアスファルトが室内の照明に当たった部分はブラシをかけて、明度を高くして、手前の床までグラデーションで暗くします。この手順は視線を伸ばす効果があります。
最後に植栽の影を光源の方向に合わせて影をつけます。影は植栽の立体感を出すことができ、壁と床との関係を表現できますが、重過ぎにならないように描きます。終わったら、画面全体のバランスをチェックして完成です。
