CGパースでの石壁の凸凹感の表現方法
2016/05/12
今回はCGパース作成における「ライティングとマテリアル」について書いてみようと思います。形状は、比較的単純なものを選び、家具なども有り物を使用していますので、モデリングにはあまり時間が掛かっておりません。
CGパース作成でのマテリアルに関して
今回重点的に何度も計算したのが画面右側の石壁です。
石壁の凸凹感をCGパースでどう表現するのか下記に方法を挙げます。
- ・モデリングで壁の形状に凸凹をつける
- ・マテリアルのBumpを使用する
- ・マテリアルのDisplaceを使用する
- ・ノーマルマップを使用する
遠くにある場合や、凹凸の範囲が狭い場合などはBumpで、もしくはBumpすら使わずレタッチで表現してしまう方が良い場合も多々あります。今回はDisplaceを使用して表現しようと思います。Displaceは、Bumpよりも凹凸が出ますし、壁に当てているアッパーライトにも反映されて陰影が付くので、よりリアルになります。ただ、Bumpよりも圧倒的に計算時間が掛かるので、仕事の上でその辺は、時間と要相談で進めます。
上記が石壁用に準備したmapです。
左上:ベースmap 右上:Bump・Displace用map
左下:Bump・Displace用mapをぼかしたVer 右下:Normal map(今回未使用)
良い感じに凸凹は出来ましたが、mapの細かい白黒の差まで表現されるので、砂地などざらついた質感を重視する場合には問題ないと思いますが、必要以上にノイズがあたったように見えてしまうので、mapをぼかしてノイズを抑えつつ、凸凹感は損なわないように調整しました。あと、コーナー部分が破れたようになったので、これはレタッチで直そうと思います。
ライティングに関して
今回のライティングは室内において補助的に部屋全体を明るくするライトを配置しましたが、基本はIESライトで対応します。
右側の石壁にあてるアッパーライトのパワーを強めながら、隣り合うライトが重ならないように調整しつつ、床に当てながらも天井にも光があたるようにしました。
光が強いので、尚更石壁の凸凹が陰影で強調されてメリハリができたかなと思います。文章にすると短くすぐ済んでしまいますが、計算しながらの調整はこれで結構時間が掛かります。感覚的な部分もあるでしょうが、もう少し効率よく煮詰める事が出来れば良いなと感じます。
レタッチに関して
今回レタッチに時間をあまり割いてません。大きな作業で言うと全体的に絵を絞ったのと、石壁のコーナーの破れを繕ったのと、ガラスに植栽の写り込みを入れたぐらいでしょうか。細かく手を加えた部分はありますが、今回は省略します。
中央部分、特に両脇の壁面に当たっているライトの部分が明るく、室内含めて全体的に暗めの印象ですが、夜のシチュエーションで落ち着いた雰囲気を与えつつ、ライトの効果で明るい部分とのメリハリが効いて、CGパース自体に締まりを持たせている印象で す。
