CGパースのケーススタディ~室内のモデリング その1~
2015/10/21
完成作品の画像はモデリング時のものでまだ途中段階のものですが、室内への影の落とし方を練習するためにこちらの作品を選びました。今回を含め、3回に渡り室内のCGパーススタディの工程や作り方のコツについてお話しできればと考えています。
まずは形状を大まかに作り込む作業から
モデリング形状に関しては写真を見ながらの手探りで進めるしかなく、カメラアングルを決めつつモデリング作業を微調整していきました。先ず核となる部屋の大きさ、壁面、建具、家具の位置をざっくりと作成、配置してカメラを置きます。
大体似たようなサイズ、奥行き感を決めたところでモデリングを本格的に始めていきます。
形状自体は複雑なオブジェクトは無かったので、アングル上のビューと見比べながら、見えがかり上不自然にならない程度に調整するのに注意しました。
また、今回は室内に於いてはライティングやマテリアルの表現に重きを置いたので、キッチン周りや壁掛けの諸々細かい部分のモデリングは省きました。画面右側白い壁面の影は他部分への影響等考慮したうえで、ライティングでの調整よりはマテリアルで表現した方が時間と精度に関して都合が良いかと判断しました。
マテリアルの調整段階
マテリアルはキッチンのステンレスの表現がすんなり決まったのが幸いでした。現状ノイズが強い印象ですが、この調整より反射具合、表情の調整の方が苦労するかと思っていたので、取り敢えずこの辺で留めておき、ノイズの除去はライティングの兼ね合いもあるので後回しにしようと思います。
天井、正面壁面のRCの表情は計算しつつ調整を何度か繰り返し、少し時間が掛かった印象です。繋ぎ目の濃いライン表現、RCのムラというか濃淡の部分も仮計算しつつ、photoshopでマテリアルの画像調整を平行して寄せていきました。
右側上部の窓からの採光による天井への光は追々調整していくとして、一先ず青みがかった光が入るように左側の窓とは別でガラスマテリアルの表現を調整しました。
床と建具類の黒い部分の反射表現は元画像より強めに表現しました。ライティングを進めていけば微調整は必要となるので、ここまで強めに表現しておき、後々反射を抑えていこうと思います。
資料の下準備は入念に
複雑なオブジェクトは無いと申しましたが、個人的な意見としましては図面資料等が有る上での複雑な形状と、資料がなく感覚で捕らえていく単純な形状では、後者のほうが時間の掛かる場合もあり、精神的に追い込まれる事も多い為、出来ることなら資料は多く揃えてからCG作成作業に取り掛かりたいなと痛感します。
もちろん仕事上図面が揃わない事も多々あるので、時間と成果に対して折合いを見つける事も大事ですが、今回のように仕事ではないCGパースのスタディに対してはもう少し資料を揃えたうえで作業に取り掛かるべきだった、とモデリングを始めてから後悔しました。
集中してある程度時間が経つと感覚が麻痺してそれが正しいのか外れているのかの判断も曖昧になってくる場合も多いので、モデリングに関しては少し時間を置いてから見直すことにし、別の作業に集中しようと思います。
進めていくうちにモデリングの不具合も見えてくるかと思いますので、オブジェクトの反射や透過、マテリアルの微調整も同時並行で進めて行きます。また、外の植栽表現等もレタッチでいくか、モデリングで進めるかは一度ライティングを始めてから決定しようと思います。
ただ、今回は床に落ちてくる光が樹木を通しての木漏れ日が一つのアイキャッチかと思うので、表示・非表示に関らず、モデリングでの植栽配置は必要になってくるかと感じています。
一先ずCGパースのモデリング作業はこの辺で留めて、次はライティングの方に移行しようと思います。
次回は室内への光の廻り方、床や壁面への影と光の影響等を考慮し、詰めていく予定です。
